株式会社ヤマグチマイカ
< 技術情報 > マイカとは

目次 1. マイカ(雲母)の概要
2. マイカの種類
3. 白雲母(マスコバイト)の結晶構造
4. 白雲母の物性

2. マイカの種類
 地球の表面層である地殻の構成元素を多い順に並べると、O、Si、Al、Fe、Ca、Na、Mgであり、これらが地殻の99%を
占めると言われます。マイカは、これらの構成元素が溶融したマグマが、高い圧力中でゆっくり冷えて結晶化し生成さ
れた深成岩の一種で、フィロケイ酸塩類(SiO4四面体が3個のOを共有し平面的に広がっているケイ酸塩)に分類され
ます。産業用途に用いられるマイカ鉱石は、インド、中国、カナダ、フィンランド、ブラジルなど多くの国で採掘されます
が、マイカの種類、構成成分、純度や結晶の大きさは産地によって異なり、その用途も様々です。
 下の写真の左がインド産白雲母鉱石、右が中国産白雲母鉱石であり、同じ白雲母でも結晶状態が全く異なり、インド
産は結晶が大きく良質で、中国産は結晶が小さくケイ砂が混在して固まっています。

インド産白雲母(マスコバイト)鉱石
 
中国産白雲母(マスコバイト)鉱石
 主なマイカの種類、組成、特徴などを下表にまとめました。この他にも多くの種類が存在しますが、希少でほとんど
採掘されていないため、ここでは省略します。
マイカの種類 組成式
白雲母
(マスコバイト、Muscovite)
KAl2(AlSi3)O10(OH)2 薄褐色~薄緑色の半透明、硬質マイカ、非膨潤系、
結晶中の八面体位イオンはAlが大部分を占める
金雲母
(フロゴパイト、Phlogopite)
KMg3(AlSi3)O10(OH)2 濃褐色~黒緑色の半透明、軟質マイカ、非膨潤系、
結晶中の八面体位イオンはMgが大部分を占める
絹雲母
(セリサイト、Sericite)
KAl2(AlSi3)O10(OH)2 灰色~薄緑色、非膨潤系、白雲母と同じ組成だが熱水
変質生成で結晶が小さい
合成フッ素金雲母
(Synthetic Fluoro Phlogopite)
KMg3(AlSi3)O10F2 白色の半透明、白雲母より硬い、非膨潤系、数種類の
天然鉱物を混合・溶融・結晶化させた人造のマイカ

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